ついに、海へ!
「飛鳥Ⅲ」Conveyance
「飛鳥Ⅲ」の最新情報を発信する“A-TIMES”。
第22回目はパペンブルグのマイヤー ベルフトから海へ、「飛鳥Ⅲ」のエムス川の川下りについてご紹介します。
2025年3月2日(日)、ついに「飛鳥Ⅲ」がマイヤー ベルフトを離れる時がきました。パペンブルグはドイツの内陸に位置するため、造船所の横を流れるエムス川を下り海に出ます。マイヤー ベルフトではこのことを搬送や運搬という意味である「Conveyance」と呼んでいますので、ここでも「Conveyance」として紹介いたします。
一度川を下るともうここには戻ることができません。2023年5月に同造船所内にサイトオフィスを構えてからパペンブルグに駐在し、日々建造に携わってきたスタッフの表情には様々な思いが表れていました。
それでは、記念すべき「飛鳥Ⅲ」のConveyanceを、様々な角度からお伝えしてまいります。
空はまだ真っ暗。凍り付く寒さの中、「飛鳥Ⅲ」はマイヤー ベルフトへ「Danke schön」と感謝の意を示しているかのようにライトを全灯しスタンバイ。水面にも反射し「飛鳥Ⅲ」の姿は美しく輝いていました。
現地時間早朝4時半、いよいよ出発の時。「飛鳥Ⅲ」はタグボートに牽引され、艤装岸壁を離岸。船尾方向からゆっくりと造船所の水門「ドックロック」へと向かいました。運航関係者の顔は真剣そのもの。川幅も水深も限られた中で約32kmもの距離を航行しなければなりません。そのため操船は長年に亘りエムス川航行の操船を担い、最新の技術を用いてエムス川通航のリアルなシミュレーション訓練を行っているパイロット(水先案内人)チームに依頼しています。
濃霧の中、慎重に「ドックロック」を通過しエムス川へ進水。なんとこんなに早朝にも関わらず河原や土手の上には地元の方々がお見送りにきてくれました。パペンブルグの方々にとって、Conveyanceはお祭りの様な大切なイベントでここが造船所の街ということを改めて実感しました。そして、「飛鳥Ⅲ」は造船所にお別れを告げて、ゆっくりゆっくりとエムス川の航行がはじまりました。
7時過ぎ、なんという美しい景色なのでしょう。濃霧に包まれながらも空が明るくなり、眩しいくらいに朝日が顔を出してくれました。早朝から作業をしていたスタッフも思わずデッキに出てその光景を目に焼き付けていました。そして河原に集まってくれた地元の方々も幻想的な「飛鳥Ⅲ」の姿を写真に収めているようです。
それから間もなくして最初の橋、ヴェーナーにあるフリーゼン橋(Friesenbrücke)の姿が見えてきました。この橋は約10年ぶりに架け替えられる予定で工事が進められています。船舶が通航する際には、橋の一部を90度旋回する仕組みになるそうです。橋を通航する際、音楽が聞こえてきました。橋の上から地元のミュージシャンがお祝いに演奏してくれたのです。心温まる演出にスタッフも大きく手を振って応えます。
フリーゼン橋辺りまでは川幅が非常に狭く慎重にゆっくりと航行してきましたが、通過後、8時過ぎには霧も晴れ視界も良くなり徐々にスピードがでてきました。
川幅が狭いところでは、地元の子供たちが土手から船に向かって「オハヨー!」と大きな声で挨拶をしてくれました。船からも「おはよう!」「おはようございます!」と返答し心温まる瞬間でした。
9時半頃には次なるポイント、レーアのヤン・ベルガウス橋(Jann-Berghaus-Brücke)が見えてきました。この橋も船舶が通航するときに開閉しますが、その仕様は跳ね橋式。船上からは跳ね上げられた橋の裏側が真横に眺められ迫力満点です。ここは河原や土手が広々としておりConveyanceの際の人気のフォトスポットとして知られています。今日も多くの方々が集まっていました。「飛鳥Ⅲ」が日本船だと知っていたのか、なんと日本の国旗を掲げてお見送りしてくださる方々がいました。ありがたいですね。船上からもその姿をしっかりと確認することができ、スタッフの目には感動の表情が浮かんでいました。
その後も長閑な風景の中「飛鳥Ⅲ」は順調に川を下り、ついにエムス川の河口ガンダースムのエムス ペアヴェルク(Emssperrwerk)に到着。デッキに出ると潮の香りを感じます。ここは高潮防潮堤で、通航のタイミングを調整します。
そして、午後2時過ぎ、エムス ペアヴェルクを無事通過し、ついに、ついに海に出ました!
早朝から約半日。気を張る場面も多い中、無事に海に出ることができたのも関係者の皆様のサポートと、お見送りに来てくださった方々のお陰です。ありがとうございました。
「飛鳥Ⅲ」はその後、海岸線に風車が立ち並ぶ港湾都市エムデン沖へ航行。川下りを牽引してくれたタグボートともお別れをし、今まで後ろ向きに進んでいた船体を180度回頭し、推進装置を使用して前向きに進み始めました。
「飛鳥Ⅲ」のConveyanceの様子を公式YouTube にて公開しました。どうぞご覧ください。
第22回目のA-TIMESはいかがでしたか?ついにパペンブルグを離れた「飛鳥Ⅲ」。海に浮かぶ姿は一段と美しく輝いて見えませんか。「飛鳥Ⅲ」のエムスガーデンでお食事をされる際は、ぜひ今回のお話を思い出してみてください。
Conveyanceという大きなマイルストーンをまたひとつ達成し、「飛鳥Ⅲ」はこれから試運転を行い春には造船所からの正式な引き渡しが行われます。
A-TIMESで「飛鳥Ⅲ」の建造状況を毎号オープンにお伝え出来たのはマイヤー ベルフトの多大なるご協力のお陰です。造船所の皆様ありがとうございました!Vielen Dank!
そしてこの春、日本でも「飛鳥Ⅲ」のイベントがございます!「飛鳥Ⅲ」に飾られる「アート公募作品展」を、大分は現在開催中で3月14日まで、京都は桜の時期に、東京はゴールデンウィークに開催予定です。お近くにお越しの際はお気軽にお立ち寄りください。
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